会社にお金が残らない本当の理由

概要

麻雀で勝つには点棒の計算方法を知る必要がある。
どういう役があってそれがどれくらいリスクがあって、リターンは何点か?
トップを取るには何点必要で、どれくらいのリスクを冒す必要があるか? それがいつなのか?
が分かっていなくてはならない。
同様にビジネスでもルール、リスク、リターンが分かっていなくてはならない。
多くの経営者が麻雀のルールをやりながら覚えようとする様にビジネスを始めてしまう。
しかし友達に囲まれているゲームと違い、ビジネス失敗時のリスクは高い。

図解!会社にお金が残らない本当の理由 (FOREST Illustration book)

ビジネスを支配する7つのシステム

※ビジネス(ゲーム)のルール

(1)収入

収入を増やす為には
・客の数を増やす
・客の購買額を増やす
・客の購買回数を増やす
1つだけを完璧にやるより、全てそこそこに増やす方が容易。

(2)支出

固定費を抑えるのが有効。
電気代等を抑えても社員のモチベーションが下がるだけで大した金額にはならない。
家賃は使用しない休日も夜間も掛かる。
借りないで済むなら借りない。
借りるとなれば広い場所、そして交渉が必要。
敷金、入居時の改装代は経費にならない。
入居前、家主に改装してもらい、出ていく時にに同じ状態にする契約を結ぶ事で節税可能。
(入居後の改装代は経費として計上可能)

(3)借入

借り入れは低リスク、高リターンである状況でのみ行わなければならない。
何となく儲かりそうだから…という理由では×。
(例)100%、「1」が出ると分かり切っているサイコロ。
掛け金が10倍になる投資があったとして、そういう場合に借入を行うべき。

(4)税金

減価償却費は全額経費計上できない上に、法律で定められた耐用年数が実際のビジネスで使用する年数よりも長過ぎる為に、
経費計上し終わるまでキャッシュフローが悪くなる。
実際の会社の財務状況と、決算書の財務状況の差が生まれる元凶。
社会保険料
厚生年金、健康保険は高い。
サービスは悪いが、国民年金、国民健康保険に加入し、
保険料との差額を自分で貯蓄する方が得

(5)決算書

税務署に提出する決算書の数字と実際の経営状態を表す決算書の数字には差がある。
・キャッシュが無いのに有るとする売掛金
・キャッシュがあるのに無いとする買掛金、
・実際はキャッシュが無いのに数年~何十年掛けて有るとする減価償却
・節税の為に最大限取る役員報酬の為に犠牲になる内部留保
合法的な裏帳簿を作成し、適切な内部留保を行う必要がある。

(6)価格

価格は大企業より高くなくてはいけない。
価格を安くするのは高くする事で付けなくてはいけない付加価値を作り出す努力を放棄しているのと同意。
安さでは大企業に勝てない。
付加価値で勝負。そして付加価値があれば高くても売れる。

(7)リスク

他人の芝は青く見える。
本業が苦しい時、他部門へ参入したくなるが、
詳しくない分野で勝負するのはリスクでしかない。
最も詳しい本業こそがローリスク・ハイリターン。
本業に集中すべき。

お金を残す為の4つの数字

※経営者が注目すべき指標

(1)一人当たり付加価値

粗利:3,000万 = 売上:5,000万 - 原価:2000万
一人当たり付加価値:1,000万 = 粗利 ÷ 社員数:3
非上場企業の平均:1,000万
上場企業の平均:1,500万
一人当たり付加価値:2,000万 を目指す。

(2)労働分配率

粗利:1,000万円に対して誰にどれだけ給料(役員報酬)を与えるか?
役員:20%、社員:30%

(3)一人当たり経常利益

給料を払った後に残るお金の社員1人に対する割合。
一人当たり経常利益:1万円 = 1万/1人昇給したら無くなる
一人当たり経常利益:20万円 = 1台/1人PCを設備投資したら無くなる
一人当たり経常利益:50万円 = 社員皆で海外旅行に行くと無くなる
一人当たり経常利益:100万円 = これくらいあると使いきれない。
一人当たり経常利益:200万円 = ここを目指す

(4)ROA(総資本経常利益率)

会社の利回り
ROA = 経常利益 ÷ 総資産
売掛、買掛より現金で考えるとCROA(総資本キャッシュフロー率)
大企業平均:7%
20%を目指す。