ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか
世の中のうまくいっている会社がどういう構造で利益を出しているのか?
を分析、23パターンに分類・紹介している本。
長期的にうまくいっている会社は、
会社、社員、顧客、仕入れ先等の関係者全員が満足している状態を作れている会社だと思います。
世の中でNo.1の品質の製品を作る
世の中でNo.1の優秀な社員を雇う
世の中でNo.1に良い(買ってくれる)顧客を持つ
こういう方法は当然有効ですが難しいだけでなく長期的に利益を出す事はできません。
仮にできたとしても他者がより良い製品を作るかも知れません、優秀な社員は辞めるかも知れません、顧客は他者に取られるかも知れません。
利益を出す仕組みを作る事が必要です。
またその仕組みがうまくいく様に調整し続ける、あるいは新しい仕組みを作り続けなくてはいけません。
私も世の中のうまくいっている会社を観察する事でそれを作りたいと思います。
その為にまずどういう仕組みがうまくいくのか?を勉強します。
主人公:スティーヴは時に、
「それは前に教えてもらったモデルと同じでは?」という疑問を教師:チャオに投げかけます。
それは私も同じです。
この本を読み終えた今でも。
紹介された23のパターンは実際には10程しかない様に思えますが、
恐らくそれが正確に23、またはもっとあると思える様になる事がゴールなのでしょう。
目次
- (1)顧客ソリューションモデル
- (2)製品ピラミッドモデル
- (3)マルチコンポーネントモデル
- (4)スイッチボードモデル
- (5)時間モデル
- (6)ブロックバスターモデル
- (7)利益増殖モデル
- (8)起業家モデル
- (9)スペシャリストモデル
- (10)インストール・ベースモデル
- (11)デファクト・スタンダードモデル
- (12)ブランドモデル
- (13)専門品モデル
- (14)ローカル・リーダーシップモデル
- (15)取引規模モデル
- (16)価値連鎖ポジションモデル
- (17)景気循環モデル
- (18)販売後モデル
- (19)新製品モデル
- (20)相対的市場シェアモデル
- (21)経験曲線モデル
- (22)低コスト・ビジネスデザインモデル
- (23)10倍の生産性を生む源
(1)顧客ソリューションモデル
顧客の問題を解決し続ける
まさにシステム会社の利益モデル
・顧客の問題を完全に把握する事
・顧客の問題をシステムによって解決する事
・システムの維持にコストが掛からない仕組みを作る事
(2)製品ピラミッドモデル
素材など一部が違うだけで、製造方法などが同じ、異なる価格帯の製品を作る。
低価格帯の製品では利益は出さず、他者の参入を防ぐ。
高価格帯の製品で利益を出す。
例:バービー人形
(3)マルチコンポーネントモデル
単一の製品を販売場所、顧客を変えて異なる価格で販売する。
例:コカ・コーラ
(4)スイッチボードモデル
顧客に製品だけでなくそれを使う様々なサービスも合わせて販売する。
顧客は様々な製品を吟味するコストを削減できる。
例:脚本とタレントをセットで販売するエージェント
(5)時間モデル
リリースと同時に他者が追随し利益が下がっていく様な製品の場合、
リリース直後に最大限の利益を得られるように前もって準備しておく手法
(6)ブロックバスターモデル
よく分からない。
短期的、長期的に利益が見込めない惰性で続けている事業を廃止する。
1つのプロジェクトが別のプロジェクトの役に立つ様にする(要するに超長期的な視野を持つ)
(7)利益増殖モデル
基幹技術は同じ製品の一部を変える事で異なる製品として利益を増やす方法。
マルチ・コンポーネントモデルに似ている。
例:ホンダ
(8)起業家モデル
心構え。
節約、競争、情熱、スピード、模倣、実験、コミュニケーション
(9)スペシャリストモデル
1つの事業に特化する事で技術の成熟、成熟による開発費の削減、信用の構築(宣伝費削減)等を得られる方法。
(10)インストール・ベースモデル
ハード、ソフトを同時に販売する。
通常ハードは価格が高く、長く使う。
ソフトは価格が安く、頻繁に消費されるのでよく売れる。
このハードの利益率を抑える事で顧客を囲い込み、
利益率を高く設定したソフトで利益を取る事ができる。
短期的・長期的なお得感を顧客に与え続ける努力を怠ると、
顧客はハードごと他者へ乗り換えてしまう。
顧客・ソリューションモデルに似ている。
(11)デファクト・スタンダードモデル
業界の圧倒的トップのシェアを獲得する事で、
売上だけでなく、バージョンアップ等を強制する事ができる。
スペシャリストモデルに似ている。
(12)ブランドモデル
完全な同一製品でもブランド名が変わると高く売れる事を利用する方法。
宣伝費に関して。
継続して掛ける事でより効果がある。
不景気中も好景気中も。
更に業界の権力者に使ってもらう事で費用以上の効果が出る。
(13)専門品モデル
定番品、新規製品の利益を測定。
短期・長期的に利益の見込めない製品は販売・研究を停止し、
その分の費用を見込める製品へ振り分ける。
更により長期的に利益を増やす計画を練る。
ブロックバスターモデルとは業界が違う。
(14)ローカル・リーダーシップモデル
地域を自分の店舗で埋め尽くす。
宣伝費を掛けずに宣伝でき、信用を得られる。
流通費用の削減&人件費の削減。
独占できれば価格も上げられる。
スペシャリストモデル、デファクトスタンダードモデルとやり方は同じ。業界が違う。
(15)取引規模モデル
大口の取引になればなる程利益が大きくなる事を利用した方法。
1回の取引量が大きいので当然利益は大きく、営業、流通に掛かるコストを抑えられる。
取引が成立しないリスクは大きい。時間も掛かる。
(16)価値連鎖ポジションモデル
業界をコントロールできるポジションを築く事で利益を得る方法。
Microsoft、インテル、ナイキ、人気小説家、人気芸能人。
スペシャリストモデル、デファクトスタンダードモデル、ローカルリーダーシップと同じ?
市場、市場の独占比率、影響度が異なった結果では?
(17)景気循環モデル
他者より価格を上げ下げする事で景気の循環を利用して利益を出す方法。
トヨタはコストを下げる事で不況時には赤字を抑え、
好況時にはより多くの利益を出している。
もし景気循環を読めれば、不況時に他社より早く価格を下げ、
好況時には他社より早く価格を上げる事で利益を得られる。
(18)販売後モデル
ハードメーカーが高リスク・低利益で販売したハードの消耗品を、
低リスク・高利益で販売し利益を得る方法。
インストールベースモデルのおいしいトコ取り。
(19)新製品モデル
製品の利益に関するライフサイクルはゴールドラッシュ期⇒ピーク⇒衰退期の順に訪れる。
ゴールドラッシュ期に多く投資を行い、衰退期には投資を減らす。
そして理想は設備等を売却する。
サイクルがあり、ピーク時に利益を最大化しようとするのは、
時間モデル、専門品モデルと同じだが、サイクルの周期やピークのタイミングが異なる。
時間モデルの周期は1~2年。ピークは最初。
新製品モデルの周期は5年。ピークは途中。
専門品モデルの周期は10年。ピークは・・・
(20)相対的市場シェアモデル
シェアが大きくする事で有利に利益を上げる方法。
スペシャリストモデル、ローカルリーダーシップモデル、デファクトスタンダードモデルと同じでは?
(21)経験曲線モデル
事業に特化し、研究・学習・改善を繰り返す事で利益を増やす方法。
規模は大きいに越した事はないが学習量がより重要。
ローカル顧客、一見顧客、固定客・・・価格を最重要視しない顧客を離さない為に。
希望のある話だ。
(22)低コスト・ビジネスデザインモデル
経験曲線モデルを実践しつつも、他者、他業界の事も観察を怠らない事で、リスク管理、チャンスを掴む方法。
その為には別事業部を作る事が望ましい。
(23)10倍の生産性を生む源
コンピューターを用いる事で生産性を向上させる。
コンピューターを用いる最大の目的は繰り返しの作業を人間が行わない事。
これにより生産性は10倍になる。
何が繰り返しになっているのか?どうやってそれをコンピューターにやらせるのか?を常に考えなければならない。